さあ、早速ロジックを使って文章読解……
に入る前に、国語の学習、古典、そして英語でも絶対に押さえておかないといけない、基本の中のキホンがあります。
それは『語彙力』、ボキャブラリーです!

語彙力学習の究極のテクニック、お教えします!
語彙力は知力であり思考力の基礎
語彙力(ボキャブラリー)は知力そのもの
まずはじめに、語彙力(ボキャブラリー)が必要となる場面を具体的に考えてみましょう。
- 国語・英語の読解では、そもそも語彙力が足りないと文の意味が分かりません。知らない言葉が多いと文脈判断にも限界があります。
- 国語の単語知識の問題は基本的にボーナス問題ですが、失点すればそのまま他の受験生との点差が開きます。
- 国語の択一問題では、選択肢の言い換えが本文の記述と同義か判断するためには言い換え前と言い換え後の両方の言葉を知っていることが前提です。
- 国語の記述問題では、特に『自分の言葉で』説明が求められた時の適切な言い換えには高い語彙力が必要です。
- 古文・漢文では、特有の古語の知識はもちろん、現代語訳では実は現代日本語の語彙力も求められます。
- 英作文では、同じ英単語の繰り返しは評価が下がります。よって、高評価を得るためには同義の英単語への言い換えが求められます。
- 小論文や面接試験では、語彙力がそのまま論述・表現力の評価にも結びつきます。
- 社会の論述問題では、小論文のような記述力も必要となります。

はい、非常によく分かりました。もうご勘弁ください。

これでも受験に限定してピックアップしているに過ぎません。本来は学科の区分など関係なく、知力・教養に直結するのが語彙力です。
語彙力がないから文脈判断?しかし設問では圧倒的に不利

ただ、語彙力が足りなくても文脈判断でカバーできるみたいな意見も聞きますね。

それは一理ありますが、あくまでも「カバーできる」というだけの話です。実際は語彙力の有無がそのまま設問の有利不利に直結します。
では、具体例で考えてみましょう。

……ん?『コミュニケーションのそご』ってなんだ?分からんがコミュニケーションの話を文脈でなんか書いときゃ良かろう。

『コミュニケーションの齟齬』、つまり意思疎通の『食い違い』の話だな。食い違いということはAとBが食い違ってるという話だ。ならば、その食い違っているAとBに当たる部分を本文から見つけ出して解釈すれば良かろう。

ああ、語彙力の差で問題のスタートラインが全然変わるのですね。
もちろん、前後の文章を読めるだけの語彙力が無いと文脈の理解も厳しいことになります。
ググる習慣:究極の知識力向上テクニック
究極の語彙力向上方法、それは「即ググる習慣」
それでは、さっそく方法論に入りましょう。
語彙力を身につける究極の方法、それは……。

……たったこれだけ?

「たったこれだけ」で一歩ずつ着実に成長できるからこそ究極の方法なのです。
これは『ググることもある』というレベルではなく、知らない言葉に出会ったら無意識にググるレベルの話です。
例えば当サイトでは非常に幅広いトピックを噛み砕いて解説していますが、それでも分からない単語は別タブでググりつつ記事を読み進めるような要領です。これは国語や英語の長文読解の見直しでも同じ話です。
例題・具体例
では、例題です。
次の一文の意味をカンタンに答えてみてください。

先生、意味以前にそもそも読めません……。

あえて自力で解けないような例題にしましたので、もちろん答えられないのは想定済みです。では、何を使っても良いですので答えてみてください。それも含めてのテストです。

なら……一つずつ辞書で調べれば良いんですね!漢字は総画数で……。

辞書なんてメンドーだからコピペしてググろう。

調べる手段は好みで良いですよ。

えーと、『襤褸』……ボロ布か~。
紙の辞書で、五感を使って調べた方が身につく人も居ます。記憶の仕方も人それぞれです。
ただ、方法は特にこだわらないという方には、私はググる習慣付けを強く推奨します。
理由はザッと思い浮かぶだけでもこれだけあります。
- 速い ← 時間効率の面で重要
- 手間が掛からない ← 労力の面で非常に重要
- 一つだけでなく複数の情報ソースが目に入る ← 情報リテラシー的に超重要
- 画像や、キーワードに関連する別の知識も目に入る ← 知識を広げるという点で超重要
- 実際に使われた文脈とともに理解できる ← 辞書的な意味が実際にどう活用されるかも実地で分かるので超重要
そもそも国語の長文読解問題も語彙力向上のチャンス
見落とされがちなことは、「長文読解問題それ自体が語彙力アップにつながる」という点です。
国語の読解問題において何よりも大切なのは、問題以前にそもそもの本文の内容を理解することです。その際に、知らない言葉というのが理解のネックになるはずです。
それならば、知らない言葉を見直しの段階でググれば良いのです。
この方法で大きいのは、例えば論説文であれば一つの論説のコンセプトの中で文脈からも理解できるという点です。
噛み砕いて言えば、単に辞書だけ読んで調べるよりも、話の中で言葉の意味を理解できたほうがより深い語彙力になる、ということです。
自分で調べる習慣:生活の全てが「学びのチャンス」になる
以上で終了です。

……あれっ?さっきのナゾの例題の答えは?

実はわざと答えを載せていません。自分で調べれば分かります。
ここで答えを聞いた場合は、その場で聞いた分だけの知識しか手に入りません。
しかし、今ここで「自分で調べる」ことを覚えれば、あなたの生活の全てが学びのチャンスになるのです!

種籾をそのまま食べるか、土に植えて自力で農作物を生産できるようになるかの違いです。
国語・英語の長文読解のなかで分からない単語・文法があれば全て調べれば良いのです。
日常生活でふと分からない言葉を見たらメモにとって後で調べれば良いのです。スマホ・タブレットがあるならその場でググれば良いのです。
ネットサーフィンしてる時に知らない言葉を見たらその場で即ググれば良いのです。
マンガで知らない単語が出たらググれば良いのです。
単語帳で一つ一つ詰め込むのと、生きた文脈の中で単語を知っていくのとではどちらが記憶として定着しやすいでしょうか?どちらが深く理解できるでしょうか?
もし、この記事を読んでいる今このときから「検索する習慣」をつければ、それだけでこれからの1年、3年、5年、10年、20年……と、あなたの「知識力」「情報リテラシー」の成長速度はまるで別物になるでしょう。
色々と調べていくうちに、自分の興味が湧く分野、ひいては進路志望・職業すら見出だせるかもしれません。そうなると50年スパンの利益になりえます。
例えば、ふと「PDCAサイクル」という単語を見て、無意識にググってみたら芋づる式にマネジメント・ビジネス方面のブログに興味が湧いてきて、経済学部・経営学部を志望するようになったり……といったことは普通にありえます。
Wikipedia:サイトで暇潰しも兼ねて語彙力を鍛える
おまけとして、Wikipediaでネットサーフィンという語彙力アップ方法をご紹介します。
Wikipedia(ウィキペディア)とは、端的に言えばネットユーザー参加型の百科事典です。ググる経験が多少なりともあれば、どこかで目にしているはずです。(※ただのWikiとは別物です)
このウィキペディアの特徴は、各記事から別記事へたくさんのリンクがつながっているということです。
そうした特徴を利用することで、暇潰しにネットサーフィンをしながら知識や教養を高めることができます。

試しに、歴史上最高の万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの記事から始めてみます。
この記事を読んでいくうちに、『最後の晩餐』が気になってリンクを踏んだとします。
そして『最後の晩餐』の記事を読み進めていき、次に『イタリアの世界遺産』に飛びます。
すると、『ヴェネツィアとその潟』が目についたのでリンクを踏みます。
そこでヴェネツィアが豊かな海洋都市国家であることを知ります。十字軍の遠征や地理的な立地といった様々な知識が関連していきます。
そこから更にルネッサンスの方向に進むこともできますし、十字軍の方向に進むこともできます。
読みハマると、何十・何百もの記事を読み漁ることすらあるでしょう。
こうして、遊び感覚で暇潰しをしながらノンジャンルで知識力が向上していきます。
もちろんリンクが貼ってない言葉もググって調べることが出来ます。そうして情報網が無尽蔵に拡がっていきます。
さらに言えば、大量の活字を読解する訓練にもなります。なかには一個人の独自研究のような記述も含まれますが、総じて文章の質は高いですので読解力の面でも良い経験となります。(特に論説文が苦手な人にとっては)
なお、地理歴史の暗記学習のように記憶しようと頑張る必要はありません。それよりも、楽しみつつ自発的にたくさんの知識に触れることが主眼です。やがて同じ言葉を何度も見掛けるうちに理解していくことでしょう。
そうして、知識がネットワーク化していきます。

SNS依存やソシャゲー中毒だけがネットではありません。ネットの海には学びの機会も山ほど転がっています。
まとめ
この記事で解説している内容は、自分で調べる習慣の不足している方にとっては本当に今後の人生の転機になりかねないレベルの重大な内容です。特に若年層の方であれば尚更です。
今この記事に何か重要なものを感じている方は今すぐ実践して習慣化してみましょう。
知らない言葉をググって調べれば、その瞬間にあなたは新しいボキャブラリーを手に入れることになります。
そして、日常のあらゆる局面が『知識力向上のチャンス』になります。
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