節税対策や増税前の駆け込み需要、無駄遣いをしては本末転倒に│時事・社会・ビジネス⑭

節税対策・消費税増税前の駆け込み需要時事問題・社会科学・ビジネスコラム

増税前に買えるだけ買っておかないと……!

税金払いたくないなあ……そうだ、経費で買い物しまくろう

 

個人事業主や中小企業、あるいは一般人でも、「とにかく税金を払わないようにするためにはどうすれば良いか」と奔走する方は多々見掛けます。

経営的に考えると、本当に必要な投資であれば余剰資金を使うべきケースは多いですし、同じ出費でも節税になるケースもありえることは確かです。

 

ですが、個人的に世間を見ていて思うのは、「そうして節税対策と言いつつ使っているカネは本当に必要な出費だったのか」という疑問です。

 

当記事の話は、消費税増税前の駆け込みという点では日本に住む全員に関わってくる話です。

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「節税の為に無駄な出費をする」という本末転倒

 

具体例:税金を減らす為に要らない調度品を買う

 

はじめに、私の経験に基づく具体例をご紹介します。

※事の性質上、細部を変えて例え話として説明します。

 

ある日、知人の事務所に伺うことになりました。
そして応接間に通されると、部屋の隅にゾンザイに放置されたナゾのハニワのようなモニュメントが置いてありました。
私「そのハニワって……どうしたんですか?」
知人「いやあ、どうも今年は利益が多く出そうだからね。ほら、節税対策ってヤツ。」
私「そうですか。ところで、ハニワに興味があるのですか?最近は古墳女子とかの流れで、ハニワ好きな人も増えつつあるようですが。」
知人「いや?他に買いたい物が無かったからとりあえず所得減らしで買っただけだよ。」

 

まず、法人税の実効税率についてザックリ考えてみると、多くとも利益額の30%前後が税金として引かれると言ったところです。ここではキリ良く30%と考えます。

そこで例えば80万円のハニワを経費として買ったとすれば、利益が80万円分だけ減ることになります。(実際は減価償却で複数年にまたがりますが、ここでは話を単純化します)

 

そうすると、本来課税されるはずだった80万円×30%=24万円分が節税できる、というロジックになります。

 

このように考えるならば、「24万円儲かった」という発想に繋がるのもごく自然なことかも知れません。

 

節税したところで、手元のお金を無駄遣いしては逆効果

 

ですが、ここで立ち止まって考えるべきことがあります。

それは、80万円-24万円=56万円分のお金は出費してしまっているという点です。

 

対して、そのまま80万円を利益のまま残していれば、確かに24万円分は税金として徴収されていたことでしょう。

ですが、税金を引かれた残りの56万円はキャッシュとして残ることになります。

 

そこで先程の例で考えるべきは、「巨大ハニワ54万円のキャッシュのどちらが欲しいですか?」という問いです。

 

これがハニワ愛好家のガチ勢であれば、80万円のハニワが54万円で買えるなら安い!と判断するかも知れません。そのような方であれば、まさしく本来あるべき節税としての効果が得られたことになります。

ですが、「54万円でハニワなんて買いたくない」と言いつつ買っているのであれば、それはただの無駄遣いということです。

 

どう考えて54万円の現ナマ一択でしょ。

そう考えるならば、単に「節税のため」という動機で買い物をしないことをオススメします

 

なお、これらは、会社員の医療控除住宅ローン控除でも本質的には同じ話です。

所得税の確定申告で還付を受けるとつい儲かった気分になってしまうかも知れませんが、実際は本来払うべき税金の一部が減額されただけに過ぎません

医療費も住宅ローンも、それが本当に必要な出費だったのであれば良いのですが、減税のために出費するのは本末転倒であるということです。

 

寸劇:増税前の駆け込みと言いつつ、ただのお金の無駄遣いをしがち

 

ふーん、大人の世界は色々大変やね。ま、オイラには関係ないけど

 

……ところで、この前「増税前だから急げ!」とか言って買い漁ったゲーム20本は全部やったの?

うっ、うーん……なんか気が進まなくて気付いたら積みゲーに……でも中古で売れるし良いや

 

……ところで、そのゲームって中古でいくらで売れるの?

えっ、えーっと……頭が痛くなってきた。

 

高くで買って安くで売る」というのはまさしく投資の失敗パターンです

 

ゲームであれば、レトロゲームなど余程のプレミア物で無い限りは、時間とともに値崩れするかセール販売されるのが普通です。よって、中古の買取価格が下がっていくだけでなく、そもそも購入の時点で高値掴みになってしまう可能性もあります。
あるいは家電製品等であれば、新モデルが発売されると現行品が型落ち品になって値下げされるのが一般的です。
だからこそ、「後で使うかも」程度のモノを駆け込みで買うのはオススメしません

 

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まとめ:買い物は効用=満足感こそが第一

 

消費税が5%から8%に増税された際には、まさに駆け込みラッシュと言うべき状況でした。

ただ、今回の2019年10月より始まる8%から10%への消費税増税に関しては、駆け込み需要は前回ほどは加熱していないように見えます。

 

とは言え、やはり私の周りでもチラホラと「増税前に大きな買い物をしよう」という声は聞こえてきます。

 

ここで立ち返るべきは、効用という経済活動の原点です

これは損得勘定の記事でも触れた経済用語ですが、要するに「その買い物でどれだけ満足感が得られるか」という観点です。

 

ましてや、8%と10%の差の為にそれ以上の損をしてしまっては本末転倒です

 

確かに2%というのは経営的には大きいですし、車や住宅などの大きな買い物になれば2%の差は家計に直撃する額になるかも知れません。

ですが、額が大きいほどよく吟味して効用をより高められる=満足感の大きくなる選択をすることに注力したほうが良いのではないでしょうか。

※なお今回の消費税増税の場合は、車や住宅などに対しては軽減措置も併せて施行されることになるため、「消費税増税前に買った方が安い」とも限りません。

 

あるいは事業における節税対策であれば、同じ利益圧縮でも本業の成長やサービスにプラスとなるような有意義な投資にお金を回すべきではないでしょうか。

 

得しているつもりで損をしないように、買い物はよく考えて行ないましょう

 

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