勉強が怖い?むしろ間違えた問題や失敗こそが「できない」を改善するヒント|勉強法・教育法④

勉強で間違えるのが怖い、知らないことが恥ずかしい効率的な勉強法・教育法のオススメ、やり方のコツ

 

私が個別指導塾の講師をしていた際に、「問題を間違えることを過度に恐れる」ような生徒さんを見かけました。

過度とまでは行かなくとも、大なり小なりネガティブな感情に苛まれる生徒さんというのは一定の割合で居ます。

 

そのような反応を示すに至る原因は、実に人それぞれの面があります。

特に心理面において何か失敗に対する深いトラウマを抱えている場合は、何かしらのカウンセリング等を受けるという選択肢もあるかも知れません。

ただし、心理面については別の大きな論点になりますのでここでは脇に置きます。

 

当記事では、「勉強はむしろ積極的に間違えていくことが大切だ」という発想の転換ロジックの側面から強力に後押ししたいと思います。

 

失敗こそが成功のカギです!

 

失敗に対して特に恐れを感じないタイプの方にとっても、失敗から学ぼう」という姿勢をより積極的に意識することでより良い学習効果が期待できることと思います。

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私の体験談|勉強の間違いを極度に怖がる生徒さん

 

私が一時期数学の個別指導をしていた中で、ひときわ失敗を恐れる中学生の生徒さんがいました。以下A君とします。

 

A君は、数学の成績自体にはそこまで問題を抱えているようには見えませんでした。例題レベルの問題は普通にこなしていました。

 

しかし、少しステップアップした問題の演習に入った途端、急に表情がこわばってペンを持つ手が完全に止まりました。肩に力が入り、全身が明らかに緊張し、怯えたような表情をしていました。

問題の難易度的には、先ほどまでの問題が出来ていれば手も足も出ないということはないはずです。しかし、A君の手は完全に停止してしまいました

 

色々と原因を探っていくうちに、A君には失敗が頭にチラつくと恐れや怖さを強く感じる傾向があると分かりました。

そこで、間違うことの大切さについて論理的に説明しつつ、気持ちの面でも後押しして何とか解いてみてもらったところ、実際は正答の方が多いくらいでした

 

まずは何よりも自力で出来ていた部分を褒めると、A君は笑みをこぼしました

少しすると笑顔は消えましたが、そこから間違った部分を一緒に解明していくと、結果的には問題が解けるようになりました。

 

まず「できたことは具体的に褒める」、そして「できなかったことは一緒に考える」、これが個別指導における基本的な姿勢です。

 

ただし、A君は次の授業では再び失敗を恐れて硬くなってしまい、再び私がフォローして頑張って解いてもらって……という状態でした。

A君の指導は一時的な代役としてのものであり、数回しか携わることが出来なかったため、変化を見届けるまでには至りませんでした。メンタル面はそうそう短期間で変わるものではありません

 

A君にシンパシーを感じる方は、ゆっくりでも全然構いませんので、「一歩ずつ前進する」ことを心掛けていくのが良いです

 

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勉強は間違いを潰す作業~失敗は成功の母

 

失敗は成功の母」というのは勉強でこそ大切な考えです。

 

100点満点を取れる問題演習はむしろ学習効果が薄い

 

ではここで、逆に一切間違いのない勉強というものを想定してみましょう。

言い換えると、「もしも問題演習で100点満点を取り続けたら」という話です。

 

うーん……それってどうなんだろう……なんか違和感。

 

それって楽園じゃん!もう勉強しないでいい!

『もう勉強しないでいい』……?やっぱりなんか違うような。

ここでのポイントは、「勉強の目的は何か」ということです。

 

もちろん、趣味や生涯学習の一環として好きで勉強している方も居ますが、そのような方は言われなくとも自主的に勉強を続けるはずです。

それ以外の大半の人にとっては、勉強は成績を向上させることが目的と言えます。もっと即物的に言えば、テストの点数を1点でも多くアップさせることが目的ではないでしょうか。

 

そっか!100点を取れる問題ばかりやってても成績は今のままってことですね!出来ない問題は出来ないまま……。

Exactly.(そのとおりでございます。)要するに現状維持で、せいぜい多少の時間短縮とケアレスミスの減少になるくらいでしょうね。

 

えっ、でも最初の村の周りでスライムだけ延々と倒し続けてレベル99になるってのもアリじゃない?(ファンタジー北島)

本当に出来るならばそれも個人の自由ですよ。

ただし大多数は次のダンジョンに冒険を進めるでしょうけれども

ぐぬぬ……。

 

復習とは……解き直し等で「できない問題を潰していく」作業

 

以前の記事で私が解き直しを強く推奨した理由も、この辺りの話にかかわってきます。

 

まずは、当たり前のロジックを足場として考えてみましょう。

 

例えば、同じ問題でも解答によって芸術点などの加点が積み重なっていくのであれば、同じ問題を更に極めるというのも一つの戦略です。

しかし、当然の話ですが、例えば1問の配点が10点と決まっていればどれだけ頑張っても11点以上は取れません

 

そうした前提に立つと、「8~9点取れる問題を頑張って10点にする」ための時間と労力を「0~7点止まりの問題」に配分した方が、同じ学習量でもコストパフォーマンスが高いと言えます。

ましてや既に10点満点を取れるような難易度の問題であれば、なおさら演習する意義は少ないです。

 

このように考えると、むしろ今出来ていない問題から学習した方が伸びしろが大きい期待値が高いとも言えます

 

この点を更に追求すると、勉強は間違いを潰していく作業である、とも表現できます。

 

具体的な克服法:間違いノートを作りオリジナル学習教材にする

 

間違いや失敗に対する恐怖心を克服するための核心は、発想の転換です。

そのために、私の体験談も踏まえたロジックをここまで展開してきました。

 

その上で、最後に具体的な方法論をご紹介したいと思います。

 

それは、自分の間違えた箇所だけを集めた間違いノートを作るという方法です。もちろん知識面だけでなく、大切だと思った解説やポイントも書き留めていきます。

 

解き直しの記事では、問題集の間違えた問題に印をつけて解き直しを回すという方法をご紹介しました。このように問題集に直接書き込む方法は、ノート作りの労力も省略した非常に合理主義的なメソッドです。

それに対し、「もっと具体的な行動を通して発想を転換していこう」という意欲がある場合は、間違いノートを作った方がより明確に「失敗が成長に直結する」という事実を体感できるはずです。

 

そもそも『間違いノート作り』は学習効果の高い方法の一つであるというのもオススメする理由です。

間違いノートは自分の弱点がピンポイントにまとめられているわけですから、一つでも出来るようになればイコール成長しているということになります。いわば自分専用のオーダーメイドの教材となります。

 

加えて、失敗を恐れがちな方の場合は、実際に手を動かして間違いノートを書いていくことにより、恐怖感よりも次第に作業感が出てくることでしょう。

あるいは、ノート作り自体が楽しくなっていくかも知れません。

 

そうすると、徐々に「あっ、間違うことは別にそんな怯えるようなことじゃなかったんだ」という発想が芽生えてくるかも知れません。これは一種の行動療法のようなものです。

 

もしここで間違えた問題が理解できなければ、先生等に質問すれば良いだけです。そしてアドバイスをノートに書き込めば良いのです。

 

※なお、ここで言う間違いノートというのはキレイなだけのまとめノートとは違います。

綺麗なまとめノート作りの罠!勉強にノートはいらない、手段の目的化は時間と労力の無駄|勉強法・教育法⑥

 

注意:難易度の高すぎる問題もレベル設定が合っていない

 

ここで一つ留意すべきことがあります。

それは、「問題演習の難易度がそもそも合っているか」という点です。

 

100点が取れる問題ばかり続けていては次の段階に進めません。

30~40点の問題であれば、まだ出来ている3~4割の部分を土台に考えていくことも出来ます。

 

しかし、100点満点のうち平均点が少なくとも50点以上あるような問題で、10~20点前後、あるいは0点になるような場合は、明らかにレベル設定が問題です。

問題が難しすぎれば手が止まって勉強がイヤになるのも当然の話です。

 

そのような場合は、前の単元に立ち返って基礎をやり直すのも一つですし、より難易度を下げた問題集や例題から進めてみるのも一つですし、いっそのこと個別指導に頼るのも有力な手段です。

 

問題演習は、ステップアップが大切です。

 

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まとめ:失敗した問題・できない問題こそが最高の学習教材

 

以上のように、勉強とは「できない」を「できる」に変える作業です。

 

どのような分野でも、自分が成長するためには今の自分が出来ていないことに向き合っていく必要があります。ノーベル賞クラスの天才ですら数多の挑戦と試行錯誤を経てきたことでしょう。

 

日本人は特に失敗を恐れがちな傾向があるように世間では言われていますが、大事なのは失敗をどれだけ成功に「利用」できるかということです。

前述した解き直し間違いノートをはじめとして、もっと勉強を作業効率の観点からドライに捉え直すことをオススメします

 

ここで大切なのは、こうした説明の意味が頭で理解できるかという問題ではなく「実際に」発想の転換をするということです。

 

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消去法とは~その意味と使い方、択一式で選択肢を絞るコツを例題で解説|勉強法・教育法⑤
消去法とは、択一式の問題を解く際に、間違いの選択肢から排除して正解を探すという王道の解法テクニックです。 試験問題での消去法の使い方のコツは、誤りや矛盾点の指摘と比較検討の観点です。その際に重要なのが理由・根拠の分析であり、正確な知識力や論理的思考力が求められます。 こうした正しい消去法のやり方を知ることでより正確性を高め、勉強段階では復習の学習効果を高める効果にも繋がります。 消去法は小学校・中学校のテスト対策から高校生、大学受験、センター試験、資格試験に至るまで非常に強力で役に立つ解き方です。

 

※連載シリーズ①「論理的思考のコツ・本質講義」→ 各話リスト

※連載シリーズ②「効率的な勉強法・教育法」→ 各話リスト

 

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