ケアレスミスが多い原因は単なるテスト対策不足!失敗を分析しメモを工夫する|勉強法・教育法⑳

ケアレスミスが多い原因と対策、なくす方法 効率的な勉強法・教育法のオススメ、コツ

 

あー、また計算ミスと設問の読み間違えが……。

まあ、ケアレスミスだから仕方ないね

本当にそれは『仕方ないミス』なのでしょうか?

 

ケアレスミスとは、実力的には出来ていたはずの問題を不注意が原因でミスしてしまったことを指します。

ケアレスミスという言葉は、まるで魔法の言葉のように失敗を自己正当化できます。

 

ですが、元個別指導塾講師の経験上、ケアレスミスと言いつつ実際はただの準備不足・実力不足であることが圧倒的多数であるように見えます。

 

逆に言えば、「ケアレスミスの多くは事前に対策できる」ということなのです。

 

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勉強の失敗例、それって本当にケアレスミス?

 

最初に、極端な例から見てみましょう。

それは、私が個別指導塾で数学を教えたことのある女子中学生Cさんの話です。

 

数学の文章題だったのですが、その時の問題は詳しく思い出せないため、カンタンな例題を挙げてみます。

たかし君は、毎分80mの速さで歩きます。ひろし君は、自転車で毎分200mの速さで走ります。たかし君が歩き始めて30分後にひろし君が同じルートを自転車で走るとき、たかし君が歩き始めて何分後にひろし君に追いつかれるでしょうか。

 

分かった!答えは「y=80x」だ!

それって一体、何に対する答えなの……?

 

Cさんも同じように、問題を読み始めて数秒後に「y=80x」という答えを出しました。

つまり、『たかし君は、毎分80mの速さで歩きます』という前置きの設定説明を1行だけ読んで答えを出したということです。

もちろん合っているわけがありません。そもそもこの問題文の1行目では何の質問もしていません

 

では質問です。この間違いはケアレスミスですか?

あーうっかりうっかり。

うっかり……?これって、ミス以前に問題に入ってすらいない段階じゃないの?

 

そうです。どのような試験でも『質問されたことに』答えることこそが本題ですから、設問を読まないことには答えようがありません

 

ここで各々が考えるべきは、『その失敗は本当に不注意が原因なのか』という問いです。

 

そうした観点からすると、Cさんの失敗の原因は、設問に対する考え方が根本的に誤っている点にあると言えます。

当然ながら、試験においては設問の指示は絶対です。自由作文ですら、解答欄や字数などの条件設定があれば従わなければなりません。

 

試験の本質は『質問に対して適切に答えること』であって、まず質問の内容を理解することが大前提です。

※この点は、以前の記事で詳しく解説しました。

 

そうした点で、Cさんの失敗はケアレス以前に『設問の内容を理解しよう』という基本姿勢の欠如が原因です。

別の表現をすると、最初から意識すらしていないがゆえに必然的に間違えるということです。

(Cさんの場合は、全般的に直感任せの部分が大きいタイプのように見受けられました。)

 

大切なのは、『ケアレスミスだった』の一言で片付けないことです。ミスの原因が自力で分からなければ、分かる人に質問しましょう

 

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「ケアレスミスは仕方ない」ではなく「具体的な原因究明と対策」を

 

それでは、ケアレスミス(と呼ばれている間違い)に対する具体的な対処方法をいくつか代表例として挙げていきたいと思います。

 

設問の読み間違いは、単に読解・情報整理する訓練が不十分なだけ

 

まず、設問の読み間違いは、そのほとんどが単に読解力・情報整理の訓練が足りていないだけです。

稀に設問の文章の方が不適切なケースもあるのですが、ほとんどのケースでは読解側に問題があると考えておいた方が良いです。(国語が苦手な方であれば尚更です)

 

例えば数学の文章題であれば、文中の情報を分析してメモする練習も必要です。

 

せっかくですので、さきほどのCさんの例題を私なりに分析してマーキングしてみます

文章題のケアレスミス対策メモ例

※人に説明する用の書き込みではなく、上図のように自分が分かれば良いスタイルで構いません。

 

ちなみにここまで来れば、あとは距離=速度×時間に当てはめるだけです。

たかし君が歩き始めてx分後にひろし君に追いつかれたとすると、
80x=200(x-30)
⇔120x=6000
⇔x=50 ∴答え:50分後

 

そんなカンタンに書かれてもオイラにはムリ……。

だからこそ普段から情報整理の練習をすることが必須なのです!

 

上の画像でやっている書き込みは実にセオリー通りでシンプルです。

  • 最終的に求められている答えが何かをチェックする。
  • 答えに至るために何が必要かを考える。(立式する)
  • 文節(意味のカタマリ)で区切ってパーツごとに読解する。(文章読解が苦手なら特に)
  • 問題文から分析できる情報を整理してメモする。(図を書くのも有用)
  • 公式への当てはめ(式などが分からなければ情報を更に整理して組み立て)

 

ケアレスミスを嘆く前に「やるべき訓練」は山ほどあります。情報整理の仕方が分からなければ質問しましょう。

 

計算ミスの原因の大半は、途中式を省略したワーキングメモリ頼りの暗算

 

設問を慎重に読むのは当然として、次に解答プロセス上のミスが非常に多く見受けられます。

これが一番分かりやすく表れる例は、数学の計算ミスです。

 

一般的に、計算ミスはケアレスミスの筆頭のように扱われがちです。

ですが、私の個別指導塾での経験上、計算ミスの大半は途中式をスキップしているのが原因です

 

計算過程において途中式を省略することが何を意味するかと言うと、頭の中の「ワーキングメモリ」に負荷を掛けて暗算しているということです。

 

ワーキングメモリって何でしたっけ?

カンタンに言えば、「頭の中で情報を一時保存して色々な処理をする能力」という感じですが……下図を見てもらった方が早いです

 

下図は単純な平方完成を求める問題ですが、左半分は暗算一発で解いているのに対して、右半分は教科書的に1段階ずつ途中式を記述しています。

途中式の書き方でワーキングメモリ節約

 

ここで注目すべきは、右半分のケースです。

ポイントは、紙に途中式を書けば脳内でわざわざ計算過程を記憶する必要は無いという単純な事実です。

 

逆に言うと、左半分のように暗算に頼れば頼るほど、ワーキングメモリに計算過程の記憶を積み重ねていかなければならないということです。

それも、記憶を維持しつつ脳内で演算処理もしなければならない、ということです。

 

でも、いちいち紙に書いたら時間がもったいないんじゃない?

では、暗算に頼ることで「実際に」速度アップしていますか?

……やっぱ途中式なんていちいち書いてられない!暗算が速いってことを証明するぞ!(暗算チャレンジ中)

 

(採点中)……長々と暗算してた挙げ句に計算ミスしてるよ。

なん……だと……!?

 

要するに、ケアレスミスと呼ばれるものの大半はただの記述不足・演習不足です

  • 一つ一つ書けば出来るのに書かないでミスするのは、解き方が雑なだけです。
  • 逆に、一つ一つ書いても出来ないのであれば、元々の実力不足です。
  • 速さが足りなくて慌ててしまうのであれば、演習量が不足しています。
  • 徹底的に対策や演習をして理解した上で」やってしまう凡ミスこそがケアレスミスです。

 

同じような話として、約分のミスが多いなら一つ一つ書いていけば良いのです。図形問題であれば、自分でどんどんメモしていけば良いのです。

「書けば出来る」のならば何も言わずに書けば良いのです。

 

結局のところ、やるべきことをやっているかどうかが第一です。

 

なお、ここでは「ワーキングメモリを鍛えるために暗算を増やそう」などと考える必要はありません。何らかの試験勉強をやっているのであれば、頭の体操としてはもう十分なはずです。それよりも、メインのテキストや問題集を周回して正確性とスピードの両立を目指す方が得策ではないでしょうか。

 

国語・英語の読解問題も、情報分析しメモするのが基本

 

なお、これが国語や英語の読解問題であれば、論理的にポイントとなる部分を本文中にマーキングしていけば自然と答えの根拠が浮かび上がってきます。

 

例えば、以前の記事で解説した定義付けの部分などは、要チェック箇所としてもはや定番パターンです。

もちろん設問の指示もマーキングすれば良いですし、択一問題であれば選択肢ごとに判断根拠を軽くメモすれば良いということです。

 

加えて国語や英語の場合は、各パラグラフの位置付けや文章構造、あるいは『~べきである』、not but構文といった重要度の高い強調部分など、メモすべき項目は山ほどあります。

※読解力の向上のために本格的に学びたい方は、完結シリーズ「論理的思考のコツ・本質講義」を読み進めてみてください。

 

自分のメモ書きを読み間違えるなら「読み取りやすく書く練習」も必要

 

人によっては、「自分の書いたメモを自分で読み間違える」というのはよくあるミスでしょう。

 

それならば、見間違えないような書き方の練習をしておけば良いということです。

 

えっ、でも字って上手い下手があるから仕方ないんじゃ?

ここで大切なのは字の上手さではなく情報の読み取りやすさです。

 

文字であれば、ヘタなりに認識のしやすい字が書けるように訓練することは可能です。

数字であれば、見分けがつきやすいようにハッキリと違いを付けて書くような訓練も可能です。

 

私自身、字を書くのが極めて苦手ながらも、様々な書き方を試行錯誤してきました。結果として、巧くはないが判別のつきやすい書き方というのが身につきました。

一方、乱雑な字が一向に直らない生徒さんの中には、改善しようとする意識すら無い方が多いのも事実です。

 

また、情報整理であれば、ただ無計画に余白に書いているような状態になっていませんか?

無計画にバラバラに記録していては、後で読み返しても分からなくなるのは当然の話です。

例えば一連の思考プロセスをメモに起こすのであれば、メモ上でも順序が分かるような配置でメモするように心掛けると良いです。

 

メモの書き方からすでに試験対策は始まっています

 

解答欄のミスは問題番号のチェック漏れ、習慣付けの問題

 

他にもよくあるのは、解答欄のミスでしょう。

 

ありがちなのは、一行ずつズラして解答するミスです。

これは、問題番号をチェックする習慣づけをしているかが問題です。

 

問題番号であれば、解答を記入する前に2~3秒もあれば確認できるはずです。

果たして、普段の演習から意識的に確認をしようとしているでしょうか?

 

そのような対策を講じていないのであれば、それはケアレスミス以前に準備不足です。

 

マークシートであれば、例えば頭の中で「問題23」と確認するだけです。日本語さえ読めれば誰にでも出来ることです。

解答欄のチェックを怠っていなければ、逆に問題を飛ばしてしまうミスも無くせます

 

解答用紙の使い方の根本的なミスは、試験開始前後の確認不足

 

そして、もっとマクロなミスとして、解答用紙の使い方を大きく間違えることもあるでしょう。

ありがちなのは、問題の選択がある場合に『選択していない問題の解答欄』を使ってしまう、あるいは特殊な問題形式が出た場合に『設問の指示通りに解答欄を使えていない』といったあたりかと思われます。

他にもケースバイケースで様々あるはずです。

 

これらは、そもそも事前に試験問題の全体像が確認できていないことが大きな原因です。

 

まず、例年通りの問題であれば、事前に過去の解答用紙も確認しておくことは大前提です。

その際に、解答順序や時間配分などの解答プランも決めておくことが定石です。逆に、行き当たりばったりの解答では不安定要素が増え、ミスが増える原因にもなります。

そうした事前対策をしていれば、例年通りの解答形式についてはミスしようがないはずです。

 

それに加えて、試験開始前後に問題冊子や解答用紙を全体的にチェックするのは必須です。

ここで過去問との変化がないか確認し、変化があれば解答プランの見直しも検討します。ここでイレギュラーな問題形式があればこの時点で気付けます。

 

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ただしADHD(注意欠陥多動性障害)のケアレスミスは別問題

 

ここまで見てきたように、ケアレスミスの『大半は』ただの対策不足です。

一方で、どれだけ対策をしてもケアレスミスが多いままという方も居ます。

 

特に、ADHD(注意欠陥多動性障害)に該当する方は非常に苦労していることでしょう。

ADHDとは、「不注意・多動性・衝動性」の3つの要素が一般的な方と比べて著しく現れるような方をカテゴライズした言葉です。

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは

 

心当たりのある方は、まずはネットで色々と調べてみてください。

 

ADHDの方にとって最善の道は、専門家によるサポートです。

お住まいの自治体ごとに「○○市 ADHD」のようにググれば、各種支援センターや医療機関がヒットするはずです。

そこでは特別な療育が受けられるかも知れませんし、人によっては処方薬で劇的に改善するケースもあります。

つまり、ADHDであっても、知ることによって対策が出来るようになるということです。

 

もちろん相談するかは任意ですが、もし実際に日常生活でもケアレスミスが多すぎて困難さを感じているならば、自分自身の今後の人生のためにも検討した方が良いかと思います。

場合によっては、不注意が原因で取り返しのつかないミスに至ってしまう可能性もあります。

 

ここで、個別指導塾などの教育機関に委ねるという選択肢もあります。

ですが、元個別指導塾講師の経験上、一つ確認すべきポイントがあります。

 

それは、ADHDの方向けの特別なノウハウがあることを明示しているかという点です。

一般的な塾では、試験問題を解くためのノウハウは大なり小なり蓄積していることでしょう。

ですが、ADHDの方に適した療育というのは全く観点が違いますので、適切な指導は難しいと考えておいた方が良いです。担当講師にたまたま特別な専門知識があったとすれば、それはただの幸運です。

 

逆に言えば、ADHDに該当することが分かればそこを基点に対応策を考えることができる、ということです。

 

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まとめ

 

学習メソッドやノウハウの蓄積のある立場から見ると、ケアレスミスと呼ばれている間違いの大半は事前の対策が可能です。

 

当記事で挙げただけでも、これだけの具体的な対処法が考えられます。

  • 問題の読み間違いは、問題文を分析して情報整理する訓練が不足している。
  • 計算ミスの大半は、途中式や筆算の記述が不足している。
  • 国語・英語の読解問題も、適切なマーキングやメモ書きが不足している。
  • メモや字それ自体の分かりやすい書き方も訓練次第。
  • 解答欄・解答用紙のミスは事前のチェックが不足している。
  • ADHDの方は然るべき専門家に相談した方が良い。

 

一番良くないのは、「ケアレスミスだから仕方ない」で済ませてしまうことです。私からすると、それは自ら同じ失敗を繰り返しているのと同じです

また、実際は対策法があるにもかかわらず、自分がただ気付けていないだけかも知れません

 

まずは、ケアレスミス(と自分で思っているミス)も他の間違いと同じように原因を分析することが必要です。

もしも自力で間違いの原因がよく分からないならば、先生や詳しい人にアドバイスを求めましょう

 

その上で、「ミスの原因を取り除くための訓練」を積むことが何よりも先決です。

結局のところ、確実に対策をすればミスは減り、逆に対策を怠れば同じミスを繰り返すということです。

 

ケアレスミスを0%にすることは不可能ですが、問題はやるべき努力をやっているかという点にあります。

 

(ケアレスミスと決めつけて)止まるんじゃねえぞ……!

 

※ミスの原因が分からなければ先生に質問しましょう。

先生に勉強面の質問ができない人必見!上手な質問の仕方のコツを学び成長しよう|勉強法・教育法㉖

※まずは「質問に対して適切に答える」ことが最低条件です。

 

※完結シリーズ「論理的思考のコツ・本質講義」→ 各話リスト

※連載シリーズ「効率的な勉強法・教育法」→ 各話リスト

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