当記事は、以下の通り時系列ごとに区切りチェックリストの形にしました。
- 試験まで時間的余裕が十分にある方、万全の準備を期したい方
- 試験日が近付いてきた方
- 試験前日・直前の準備
- 試験本番での心構え
目次がチェックリストになっており、本文がその詳しい解説になっています。
試験直前期でお急ぎの方は目次から気になるトピックに飛んでください。
お急ぎでない方は、飛ばし読みでも構いませんので全体に目を通してみてください。
心身両面のコンディションを向上させるということは、単なる試験対策にとどまらずQoL(生活の質)の向上にも結びつくことになります。

メンタル・フィジカル調整も試験勉強のうちです。
このページ → 試験まで時間的余裕が十分にある方
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3ページ目 → 試験前日・直前の準備
4ページ目 → 試験本番での心構え
はじめに
これからの試験本番に向けて、「いかにフィジカル・メンタル両面のコンディションをベストの状態に持っていくか」という観点から私なりに要点を整理してみます。
数々の筆記試験を突破してきた私自身の経験を通じて、受験だけではなく日頃の定期テスト、社会人の資格試験、あるいは公務員試験・就職試験においても汎用的に通じるように情報をまとめました。
個人差の大きい部分もありますので、なるべく幅広くポイントを挙げてみました。
必要だと思った部分を活用していただければお役に立てるかと思います。不要な部分はスルーしていただいて構いません。
もちろんこのページに載っていないチェック項目が他に思い浮かんだ場合は、それも忘れないうちにメモして下さい。

当記事の情報を上手く利用して頂いて、試験本番で少しでも良いパフォーマンスを発揮できれば幸いです。
試験本番まで時間的余裕のある方

試験までの日数に余裕がある場合は、試験本番を想定していかに早い段階から用意周到に準備できるかが勝負です。
試験直前・本番のリラックス法・緊張緩和・集中法は普段から習慣化
メンタルトレーニングは学力試験においても本番対策のキホンです。
ただしメンタル面は個人差が大きいですので、あくまでも一般向けの説明になります。
※詳しくは、以下の記事で特集しています。
本番に弱いタイプほど当日に特別なことをやらない
まず、基本的な姿勢として「試験本番になって急に新しいことをやらない」ということが大切です。
例えば「手のひらに人の字を書いて飲む」という古典的なリラックス法がありますが、普段はやらないことをやってしまうと逆に特別感が強まってしまい更にアガってしまうリスクがあります。
特に、「自分は本番に強いほうではない」と自覚している方ほど素直に普段どおりを目指すのが良いです。
リラックス法やゲン担ぎは普段から習慣付けてこそ意味がある
メンタルを「普段どおり」の状態にコントロールするための方法は数々あります。人の数だけあると言っても良いかも知れません。
先ほど挙げた『人の字』もそうですし、あるいは必ず特定の音楽を聞くといった習慣もそうです。
または、その日に行なうスケジュールを事細かに決めてスケジュール通りに全てを淡々とこなすといった大規模なものもあります。そうして本番のスケジュールの方に自分を合わせていくということです。
あるいは、人によってはゲン担ぎも一種のルーティンとなるかも知れません。例えば、「試験前は必ずヒゲを剃らないでおく」といったゲン担ぎは巷でもよく聞きます。
どのようなリラックス法を取るにしても、ラグビーW杯の五郎丸ポーズで有名になったように日頃からルーティンとしておくことが一般的にオススメです。
もちろん、「普段はやらないが本気モードに入る時だけ特別なことをやる」といったものを決めるのも一つかも知れませんが、そうしたことも前々から決めておいて随時使っていくことが肝心です。

極度の緊張にさらされるアスリートのほとんどが「いかに練習通りのプレーをするか」を心掛けているはずです。
だからこそ、各界の超一流もルーティンを取り入れているのです。

先生!ルーティンって具体的に何をすれば良いですか?

試験会場で出来て周りに迷惑にならない動作であれば何でも良いですよ。本番中でも使うのであれば、手や筆記具で何か特別な仕草をするなど、座った状態で出来る動作をルーティンにすると良いと思います。
詳しくは、以下の記事で特集しています。
勉強のルーティンとは~リラックスと集中を両立し受験本番も普段通り│勉強法・教育法㉘
※『李下に冠を正さず』、つまり試験中にカンニングを疑われるようなルーティンにならないように注意しましょう。
試験前日・当日に勉強をしない、教材も会場に持ち込まない(自信がある場合)

では、先生は現役時代にどのようにしてリラックスしていたのですか?

私の場合はそもそも試験1ヶ月前辺りからは勉強をやめることが多いです。
試験会場にもホテルにも教材の類いは一切持ち込みません。

ああ、リラックスモードのまま特攻するのですね……。

これは私のポリシーで、「付け焼き刃を一切排除して真の実力だけで勝負する」という単なる個人的なこだわりです。しかし、結果的に試験会場で非常にリラックスできましたので、恒例のパターンとして今も使っています。

1ヶ月前というのは極端ですが、前日・当日の勉強っていうのは暗記知識という部分で一番大切じゃないんですか?

一般的にはそうですね。ですが、周りが緊張と焦りの中で勉強している光景を客観的に眺めていると、不思議と冷静になれるのも事実です。
勝負メシも事前に食べてみる、胃との相性問題
先ほど、「本番モードに入る時だけは特別に何かをする」といった話を述べました。
その筆頭として、いわゆる勝負メシがあります。
勝負メシとは要するに、好物のご馳走を食べることによって心身ともに満足感を得るとともに、本番モードへのスイッチ切り替えをしようとしているのです。

有名なのは、「カツ丼」で「勝つ!」というものですね。

どんな手を使おうが勝てばいい!それがすべてだ!
ヒャッハー!特上の大盛りだぁー!

食べ過ぎでお腹を壊さないようにね……。
そうした勝負メシを試験前日に初めて食べるのはオススメできません。
もしもそこでアレルギーが生じたらどうなるでしょうか。
あるいは、アレルギーまでは行かずとも、相性が悪くて消化不良になってしまっては翌日に大打撃が残ってしまいます。
※勝負飯やゲン担ぎについては別記事で特集しています。
受験生のゲン担ぎや勝負飯は試験に逆効果?不安やプレッシャーを助長しないか│勉強法・教育法㉙
服装・肌着・靴下等のベスト装備を決めておく
試験は基本的に頭脳労働ですが、集中力のジャマにならない快適な服装というのも大事です。
肌触りは合っているか、サイズ感はシックリくるか、季節的に温度調節ができるか、等などの要素が関係してきます。

私の場合、ポリエステルなどの化学繊維が苦手ですので、直接肌に触れるものは全て綿100%を基準に選んでいます。日頃から肌が痒くなったりかぶれたりする方は素材次第で改善できるかも知れません。
ここで、試験本番のために特別に新品を用意するのは非推奨です。
なぜなら、生地の素材が肌の相性と合わなくてムズムズしたり、着慣れなくて落ち着かなくなったりするためです。
先ほどの話ともあわせて、「普段どおり」が一番ということです。

試験本番、そんな装備で大丈夫ですか?

一番いいのを頼む!
本番に合わせて『最強装備』で臨みたいのであれば、前々から良い物を探しておいて日頃から着慣れておくことが肝心です。
筆記用具・インク残量の確認、予備の準備
試験の道具といえば、なんと言っても筆記用具です。

私の愛用品は万年筆のコクーンで、予備も兼ねてサブにボールペンのジェットストリームを5本用意します。
筆記用具は、いわば侍にとっての刀のようなものです。
文房具マニアになる必要はありませんが、愛用品を見つけておくと筆記のパフォーマンスも安定しますし、気分もノリます(超重要)。

コクーンは低価格帯でも十分過ぎる書き味の滑らかさで、手に馴染みやすいです。字を書くのが苦手な人ほど万年筆はオススメです。
※ペン回しを止めるキッカケにもなった点も個人的には地味に大きいです。

でも、『弘法筆を選ばず』ということわざもありますよね。

それは、弘法大師・空海が超人すぎるのでどの筆を使っても超一流レベルというだけの話です。実際の空海は道具を厳選していたそうです。

実力を身に着けた上で、道具もこだわるということですね!

そうです。ただし万年筆ガチ勢ともなれば万単位でお金が掛かりますので、低価格帯で十分です。

万……だと……?(放心)
※万年筆コクーンは大体2000円台、カクノは1000円前後で入手できます。
※ボールペンならジェットストリームがオススメです。
※シャープペン特集記事はコチラ
また、その試験で使える筆記用具を試験案内などで予め確認しておきましょう。答案用紙の紙質的に万年筆と相性が悪かったり、黒インク以外不可であったり、そもそもペン不可の場合もありえますし、シャープペンが不可の場合もあります。他にも、定規や電卓などもよく規定を読んでおきましょう。例えば関数電卓は簿財でも使えません。
常備薬・サプリメント・カフェインは副作用に注意
人によっては常備薬が必要になることと思います。
あるいは、知識のある方はサプリメントなども利用することでしょう。
これらは、効力が弱ければ特に問題にはなりにくいですが、効果の強いものほど副作用も大きく出やすいという点に注意しましょう。
副作用は個人差が大きいですので、慎重に自己観察して予めどのような変化が生じるかを把握しておくことが大切です。

処方薬の副作用が強すぎる場合は、かかりつけの医師に事情を説明した上で処方を変えてもらうのも有効な手段です。
また、見落とされがちなものに、カフェインがあります。
カフェインは気軽に扱われがちですが、実際は副作用も大きい化学物質です。試験の場合は、特に利尿作用や動悸に注意が必要です。

なら普段はカフェイン飲んで勉強して、試験本番だけカフェインを抜けば良いんじゃね?

カフェインは離脱症状も強いですので、急なカフェイン抜きは非推奨です。特に常用していた方ほど本番で諸症状に苦しむことになります。

最近ノンカフェインコーヒーってのがよく置いてあるのはそういう背景もあったんですね。知りませんでした。

カフェインは世間的なイメージよりも遥かに効果が強いです。
※サプリメントを常用している方にはアイハーブが高コスパでオススメです。
サプリメント・オーガニック・自然食品ならアイハーブ!高コスパ高品質|勉強アイテム②
※カフェインを常用している方向けの基礎知識、高コスパなアイテムリスト
勉強や仕事の眠気覚ましにコーヒー?カフェインの副作用、離脱症状と耐性を知る│勉強アイテム⑤
願書の提出時期や必要書類、併願先を確認しておく
試験日程の確認は早ければ早いほど良いです。
これは学習計画を立てる際にも必須ですが、他にも注意すべきポイントがあります。
・第一は何より、願書の出願時期と必要書類です。
受験の出願が間に合わなければ勝負すらできませんし、資格試験などによっては大学の成績表といったような準備に時間のかかる提出書類もあります。
・第二に、併願が可能かということです。
中学・高校・大学受験、就職試験、公務員試験のように複数の志願先を受験をする際には、スケジュールが重なっていては併願できません。
また、メインの受験会場から遠く離れた先へ併願する場合は、移動に無理がないかについても要チェックです。
・第三に、併願をする場合はいつまでに何の決断が必要かという〆切も押さえておきましょう。
場合によってはかなり早い段階で「この日までに入学金を支払わないと入学できない」といった併願先も多々あります。大抵は数万円ほどかかりますので、中高生の方は親御さんとよく相談しておきましょう。
・そして、人によっては試験会場側に何かしらの特別な配慮を要請できるかという点があります。
特に、身体的に配慮が必要な方や、LD(学習障害)の方にとっては非常に重要な問題です。
こうした申し出が可能か否かは、出願時期にかかわらず出来るだけ早めに確認しておいた方が良いです。そして、不明点があれば遠慮なく主催側に問い合わせしましょう。
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